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破産とは?手続の流れ、債権の優先順位及び破産管財人の権限

公開 2026年8月22日更新 2026年10月30日

破産とは

破産とは、支払不能又は債務超過にある債務者の財産を換価し、債権者に対して公平に配当することを目的とする法的整理の手続をいいます。破産法を根拠とします(破産法第1条)。

民事再生及び会社更生が事業の再建を目的とする再建型の手続であるのに対し、破産は債務者の財産を清算する清算型の手続です。

破産手続開始の原因

債務者が支払不能にあるときは、裁判所は破産手続開始の決定をします(破産法第15条第1項)。法人につきましては、債務超過も破産手続開始の原因となります(同法第16条第1項)。

支払停止があったときは、支払不能にあったものと推定されます(同法第15条第2項)。

詳細は支払不能の解説及び債務超過の解説をご覧ください。

廃業するか会社を譲渡するかの判断と、両者の比較は、次のページでご案内しています。

申立権者による区別

債務者自身が申し立てる場合を自己破産、法人の理事等が申し立てる場合を準自己破産、債権者が申し立てる場合を債権者破産と申します。それぞれ要件及び実務上の取扱いが異なります。

手続の流れ

第一 申立て及び審尋

債務者の住所地又は主たる営業所の所在地を管轄する地方裁判所に申し立てます(破産法第5条)。

第二 破産手続開始の決定及び破産管財人の選任

開始決定と同時に破産管財人が選任されます(破産法第31条第1項、第74条第1項)。破産者の財産の管理処分権は破産管財人に専属します(同法第78条第1項)。

第三 財産の調査及び換価

破産管財人は、破産財団に属する財産を調査し、評定し(破産法第153条)、換価します。

第四 債権の届出及び調査

破産債権者が債権を届け出、破産管財人が認否をします。

第五 配当

換価により得られた金銭を、債権の優先順位に従って配当します。

第六 終結又は廃止

配当が終了したときは破産手続終結の決定がされます(破産法第220条第1項)。財団が費用に不足する場合には異時廃止となります(同法第217条第1項)。

債権の優先順位

順位 債権の種類 主な内容
手続外 別除権 抵当権、質権、特別の先取特権、商事留置権
1 財団債権 手続費用、破産手続開始前3か月間の給料、一定の租税
2 優先的破産債権 一般の先取特権のある債権
3 一般の破産債権 通常の取引債権、借入金
4 劣後的破産債権 開始後の利息及び遅延損害金等
5 約定劣後破産債権 劣後の合意がある債権

お手元の資料と経緯をお聞きし、進め方の順序をお示しします。

破産管財人の権限

破産管財人は、財産の管理処分のほか、次の権限を有します。

第一に、否認権です。破産手続開始前にされた債権者を害する行為又は特定の債権者を利する行為の効力を否定し、財産を回復します(破産法第160条以下)。

第二に、双方未履行双務契約の解除権です(同法第53条第1項)。

第三に、役員に対する責任追及です(同法第177条以下)。

法人と個人の相違

法人は破産手続の終結により消滅します。これに対し個人につきましては、破産手続とは別に免責手続があり、免責許可の決定を受けることにより債務の責任を免れます(破産法第248条以下)。

会社の借入れの経営者保証(個人保証)の解除と整理は、次のページでご案内しています。

よくあるご質問

質問1 破産すると経営者個人も破産しなければなりませんか。
個人保証をしている場合には保証債務の履行を求められますが、経営者保証に関するガイドラインによる整理により、破産を回避できる場合があります。

質問2 従業員の給与はどうなりますか。
破産手続開始前3か月間の給料は財団債権として優先的に弁済されます(破産法第149条第1項)。それ以前の未払給料は優先的破産債権となります。未払賃金立替払制度の利用も検討します。

質問3 破産と特別清算はどう違いますか。
特別清算は清算中の株式会社のみが利用でき、債権者の同意による協定又は個別の和解により終了します。破産は同意を要しません。

まとめ

破産は債務者の財産を清算する手続です。事業の終了を伴いますが、債権者に対する公平な分配と経営者の再起の出発点という機能を有しています。適切な時期に申し立てることにより、関係者の損失を最小化し、経営者の再チャレンジを可能とします。

本記事の根拠条文

破産法第1条、第5条、第15条、第16条、第31条第1項、第53条第1項、第74条第1項、第78条第1項、第149条第1項、第153条、第160条、第177条、第217条第1項、第220条第1項、第248条。

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執筆者

弁護士法人M&A総合法律事務所 代表弁護士 土屋勝裕(東京弁護士会所属 登録番号26775)

長島・大野・常松法律事務所に在籍した後、慶應義塾大学ビジネス・スクール及びペンシルベニア大学ウォートン校に留学し、ファイナンス理論並びにM&A及び不動産を専攻しました。不動産投資信託(J-REIT)の上場案件に関与し、2024年(令和6年)10月には最高裁判所において株式買取請求権に関する逆転判決を得ました。現在は弁護士法人M&A総合法律事務所の代表弁護士を務めています。

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本記事の記載は一般的な法律情報であり、個別の事案に関する法律上の助言ではありません。記載した経歴は事実の記述であり、個別の事件の結果を保証するものではありません。

著書

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中堅・中小企業のためのM&Aトラブル事例と実務対策
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