中小企業活性化協議会 中小企業再生支援協議会からの改組と3つの支援段階

中小企業活性化協議会とは

中小企業活性化協議会とは、収益力の低下、過剰債務その他の事情により経営に困難を生じている中小企業者の支援を行う公的機関です。全国47の都道府県すべてに設置されており、商工会議所等が運営いたしております。

令和4年3月、従来の「中小企業再生支援協議会」と「経営改善支援センター」が統合され、「中小企業活性化協議会」として改組されました。本記事は改組後の制度に基づいて記述いたしております。

改組の経緯

中小企業再生支援協議会は、産業活力再生特別措置法(後の産業競争力強化法)に基づき、平成15年から各都道府県に設置されてまいりました。財務上の問題を抱える中小企業の再生計画の策定を支援する機関です。

他方、経営改善支援センターは、認定経営革新等支援機関による経営改善計画の策定を費用面で支援する機関でした。

令和4年3月に公表された中小企業活性化パッケージにより両者が統合され、収益力改善から再生、さらには再チャレンジまでを一体的に支援する体制が構築されました。

三つの支援フェーズ

第一 収益力改善フェーズ

収益力が低下している段階の中小企業に対し、経営改善計画の策定を支援いたします。早期経営改善計画策定支援(ポストコロナ持続的発展計画事業)及び経営改善計画策定支援(405事業)がこれに当たります。

第二 再生フェーズ

財務上の問題を抱えながらも収益性のある事業を有する中小企業に対し、金融機関との調整を含む再生計画の策定を支援いたします。従来の中小企業再生支援協議会の中核業務を承継したものです。

第三 再チャレンジフェーズ

事業の継続が困難な中小企業及び保証債務に悩む経営者に対し、円滑な廃業と経営者の再起を支援いたします。

再生支援の手続の流れ

第一次対応(窓口相談)

中小企業者からの相談を受け、財務及び事業の状況を聴取したうえで、支援の方向性を検討いたします。この段階では費用は生じません。

第二次対応(再生計画策定支援)

個別支援チームを編成し、財務及び事業のデュー・ディリジェンスを実施したうえで、再生計画案を策定いたします。

個別支援チームには、統括責任者のほか、公認会計士、税理士、中小企業診断士及び弁護士等の外部専門家が参加いたします。

債権者会議(バンクミーティング)

金融機関を招集し、再生計画案を説明して同意を求めます。全ての対象債権者の同意により計画が成立いたします。

再生計画の内容

再生計画には、次の事項が定められるのが通例です。

第一に、返済条件の変更(リスケジュール)です。元本の返済猶予又は返済期間の延長です。

第二に、債権放棄です。過剰債務が事業の継続を妨げる場合に、金融機関に債権の一部の放棄を求めます。

第三に、デット・エクイティ・スワップ又はデット・デット・スワップです。

第四に、第二会社方式です。会社分割又は事業譲渡により優良事業を新会社へ移し、旧会社を清算いたします。

中小企業の事業再生等に関するガイドラインとの関係

令和4年4月15日から適用が開始された中小企業の事業再生等に関するガイドラインは、中小企業者の私的整理の準則を定めるものです。第三者支援専門家の関与のもと、再生型私的整理手続及び廃業型私的整理手続が用意されております。

中小企業活性化協議会による支援と当該ガイドラインによる手続は、いずれも私的整理の枠組みであり、事案に応じて選択されます。

利用の利点と留意点

利点といたしましては、第一に、公的機関が関与することによる金融機関からの信頼、第二に、費用の一部が補助されること、第三に、法的整理と異なり公表されないため信用の毀損が限定的であることが挙げられます。

留意点といたしましては、第一に、全ての対象債権者の同意を要するため、一行でも反対すれば成立しないこと、第二に、収益力のある事業を有することが前提であること、第三に、手続に相応の期間を要することが挙げられます。

よくあるご質問

質問1 中小企業再生支援協議会は今もありますか。
ありません。令和4年3月に中小企業活性化協議会へ改組されました。過去の資料に「中小企業再生支援協議会」と記載されている場合は、現在の中小企業活性化協議会を指すものとご理解ください。

質問2 弁護士に依頼する必要はありますか。
協議会の支援自体に弁護士の関与は必須ではありません。もっとも、金融機関との交渉、第二会社方式の設計、経営者保証の整理及び法的整理への移行の判断におきましては、弁護士の関与が有用です。

質問3 協議会の支援を受けると信用情報に登録されますか。
再生計画において債権放棄を受ける場合等には、金融機関の債務者区分及び信用情報に影響が及びます。リスケジュールにとどまる場合の影響は限定的です。

まとめ

中小企業活性化協議会は、収益力改善から再生、再チャレンジまでを一体的に支援する公的機関です。法的整理に至る前の段階で相談することにより、事業の毀損を最小限に抑えた再生が可能となります。

他方、全債権者の同意という高い要件がありますので、私的整理と法的整理のいずれによるべきかの見極めが重要です。

本記事の根拠等

中小企業庁「中小企業活性化協議会」、中小企業活性化パッケージ(令和4年3月)、中小企業活性化協議会実施基本要領、中小企業の事業再生等に関するガイドライン(令和4年4月15日適用開始)。

弁護士法人M&A総合法律事務所へのご相談

事業再生は、着手の時期が結果を左右いたします。資金繰りに不安が生じた段階でご相談いただければ、採り得る手段の幅が広がります。電話番号 03-6435-8418 受付時間 8時00分から21時00分まで(土曜・日曜・祝日を含みます)。ご相談は事前予約制です。なお、課税関係につきましては税理士にお問い合わせください。

具体的なご相談をお考えの皆様へ

本ページの主題に関し、当事務所の取扱内容、対応の進め方及び費用の考え方は、次のご案内のページに整理しています。あわせてご覧ください。

お問い合わせ

この記事に関連するお問い合わせは、弁護士法人M&A総合法律事務所にいつにてもお問い合わせください。ご不明な点等ございましたら、いつにてもお問い合わせいただけましたら幸いです。







    ※ いずれか一つをお選びください。「〜1000万」は500万円以上1000万円未満を指します。多忙のため「〜500万」の場合はコールバックいたしません。ご依頼意思が強い場合のみお電話ください。




    入力内容をご確認の上、
    送信ボタンを押してください

    無料診断フォーム

    こちらのフォームから、請求可能性や解決可能性に関する無料診断が可能です(ベータ版)。いくつかの質問に回答することによりご自身のご状況が分かります。ご活用ください。

    弁護士法人M&A総合法律事務所メールマガジン

    M&Aの最新情報や弁護士法人M&A総合法律事務所のセミナー情報が届きます。
    メールアドレスを入力してお申込みください。

    セミナー情報と書籍・電子書籍の謹呈

    ABOUT US
    弁護士土屋勝裕
    弁護士法人M&A総合法律事務所の代表弁護士。長島・大野・常松法律事務所、ペンシルバニア大学ウォートン校留学、上海市大成律師事務所執務などを経て事務所設立。400件程度のM&Aに関与。米国トランプ大統領の娘イヴァンカさんと同級生。現在、M&A業務・M&A法務・M&A裁判・事業承継トラブル・少数株主トラブル・株主間会社紛争・取締役強制退任・役員退職慰労金トラブル・事業再生・企業再建に主として対応
    お問い合わせ 03-6435-8418