私的整理による債務削減|裁判所によらずに債務を圧縮する方法

取引先に知られずに進められる方法

私的整理は、裁判所の手続によらず、債権者との協議によって債務を圧縮する方法です。

最大の利点は、対象を金融機関に限定できることにあります。取引先の債権を対象としないため、仕入及び販売を従前どおり継続でき、事業の毀損を避けられます。法的整理においては、手続の開始が公表され、取引先の信用が失われる事態を避けられません。

他方、私的整理は債権者全員の同意を要するため、1社でも反対すれば成立しません。この点が法的整理との根本的な相違です。

私的整理の類型

  • 純粋な私的整理 当事者間の協議のみによるもの
  • 事業再生ADR 中立の第三者機関が関与し、手続の公正を担保するもの
  • 中小企業活性化協議会の関与による再生計画の策定
  • 特定調停 簡易裁判所の調停手続を用いるもの(裁判所は関与しますが、公表はされません)

事業再生ADRの特徴

事業再生ADRは、認証を受けた紛争解決事業者が手続を実施します。手続の間、金融機関に対して返済の一時停止を求めることができ、その間に再生計画を策定します。

一定の要件の下で、税務上及び金融検査上の取扱いについて配慮がされる点にも意味があります。

進め方

  • 第1段階 資産及び負債の実態の把握(実態貸借対照表の作成)
  • 第2段階 事業の収益力の分析と、再生の可能性の判断
  • 第3段階 返済の一時停止の要請(金融機関に対する説明)
  • 第4段階 経営改善計画又は事業再生計画の策定
  • 第5段階 債権者への説明と同意の取得
  • 第6段階 計画の実行と、進捗の報告

サービサーとの交渉

金融機関が債権を債権回収会社(サービサー)に譲渡した場合、交渉の相手方はサービサーとなります。

サービサーは、債権を額面より低い価額で取得していることが通常です。そのため、元の金融機関との交渉に比べて、減額に応じる余地が生じ得ます。買戻しの提案が受け入れられる場合もあります。

交渉に際しては、資産及び収益力の実態を示した上で、支払可能な水準を根拠とともに提示することが重要です。

経営者保証に関するガイドライン

会社の債務を整理する場合、経営者個人が連帯保証をしていれば、その責任も問題となります。

経営者保証に関するガイドラインは、一定の要件の下で、保証債務の整理に際し、経営者に一定の資産を残すことを認める枠組みです。自宅を残せる可能性がある点で、実務上の意味は大きいといえます。

適用を受けるためには、早期に着手し、誠実に情報を開示することが求められます。資産を隠したと評価される行為があれば、適用は困難となります。

ご相談の申込み

私的整理に関するご相談は、電話又はお問い合わせフォームより承ります。電話の受付は午前9時から午後9時まで、お問い合わせフォームは24時間受け付けています。

ご相談の際は、決算書(3期分)、借入金の一覧、資金繰り表、担保の設定状況が分かる資料をお持ちください。手元に資料がない段階でのご相談も承ります。

具体的なご相談をお考えの皆様へ

本ページの主題に関し、当事務所の取扱内容、対応の進め方及び費用の考え方は、次のご案内のページに整理しています。あわせてご覧ください。

執筆者

弁護士法人M&A総合法律事務所 代表弁護士 土屋勝裕(東京弁護士会所属 登録番号26775)

長島・大野・常松法律事務所に在籍した後、慶應義塾大学ビジネス・スクール及びペンシルベニア大学ウォートン校に留学し、ファイナンス理論並びにM&A及び不動産を専攻しました。不動産投資信託(J-REIT)の上場案件に関与し、平成23年には最高裁判所において株式買取請求権に関する逆転判決を得ております。現在は弁護士法人M&A総合法律事務所の代表弁護士を務めております。

主として取り扱う分野 M&A、株式買取請求権、非上場株式の価格の決定、企業価値評価、事業承継、企業法務及び不動産に関する法律問題

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    ABOUT US
    弁護士土屋勝裕
    弁護士法人M&A総合法律事務所の代表弁護士。長島・大野・常松法律事務所、ペンシルバニア大学ウォートン校留学、上海市大成律師事務所執務などを経て事務所設立。400件程度のM&Aに関与。米国トランプ大統領の娘イヴァンカさんと同級生。現在、M&A業務・M&A法務・M&A裁判・事業承継トラブル・少数株主トラブル・株主間会社紛争・取締役強制退任・役員退職慰労金トラブル・事業再生・企業再建に主として対応
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