日本ターンアラウンド・マネジメント協会と認定事業再生士

日本ターンアラウンド・マネジメント協会とは

一般社団法人日本ターンアラウンド・マネジメント協会は、事業再生の専門家の育成及び認定を行う団体です。日本TMAとも呼ばれます。

従前は「日本事業再生士協会」(ACTP)と称しておりましたが、現在は日本ターンアラウンド・マネジメント協会に名称が改められております。過去の資料に「日本事業再生士協会」と記載されている場合は、同一の団体を指すものとご理解ください。

米国のターンアラウンド・マネジメント協会(TMA)の日本支部として設立され、認定事業再生士(CTP)及び事業再生士補(ATP)の資格を認定いたしております。

認定事業再生士(CTP)

認定事業再生士とは、事業再生に関する専門的な知識及び実務経験を有する者として認定される資格です。英語表記の頭文字からCTPと呼ばれます。

認定を受けるには、会計、法律及び経営の各分野の試験に合格するとともに、一定の実務経験を有することが求められます。公認会計士、税理士、中小企業診断士、弁護士及び金融機関の職員等が取得いたしております。

事業再生士補(ATP)

事業再生士補は、認定事業再生士に至る前段階の資格です。実務経験の要件を満たさない段階でも、試験に合格することにより認定を受けることができます。

事業再生実務家協会との相違

項目 日本ターンアラウンド・マネジメント協会 事業再生実務家協会
旧称 日本事業再生士協会(ACTP)
主たる業務 専門家の育成及び資格の認定 事業再生ADRの手続の実施
法的地位 一般社団法人 法務省認証・経済産業省認定の紛争解決事業者
個別案件への関与 直接には行わない 手続実施者として関与

両者は名称が類似いたしますが、機能が全く異なります。実際の私的整理手続を主宰するのは事業再生実務家協会です。詳細は事業再生ADRの解説をご覧ください。

事業再生に関与する主な機関の整理

事業再生の局面におきましては、多数の機関が登場いたしますので、役割を整理いたします。

中小企業活性化協議会 各都道府県に設置された公的機関。中小企業の収益力改善から再チャレンジまでを支援いたします。

地域経済活性化支援機構(REVIC) 官民出資の株式会社。債権の買取り、出資及び貸付けを伴う支援を行います。

事業再生実務家協会 事業再生ADRの手続実施者。主として一定規模以上の企業が対象です。

日本ターンアラウンド・マネジメント協会 専門家の育成及び資格認定を行う団体。個別案件の手続主宰は行いません。

認定経営革新等支援機関 中小企業支援に関する専門的知識を有するものとして国の認定を受けた者。経営改善計画策定支援事業において計画の策定を支援いたします。

専門家の選定にあたって

事業再生におきましては、法律、会計及び事業の三つの視点が必要です。資格の有無のみで専門家を選定すべきではありませんが、認定事業再生士は会計及び法律の双方の知識を体系的に修得した者ですので、一つの指標とはなります。

もっとも、金融機関との交渉、法的整理への移行の判断、経営者保証の整理及び第二会社方式の設計といった局面におきましては、弁護士の関与が不可欠です。

よくあるご質問

質問1 日本事業再生士協会は今もありますか。
名称が日本ターンアラウンド・マネジメント協会に改められております。

質問2 認定事業再生士でなければ事業再生の支援はできませんか。
そのようなことはありません。業務独占資格ではありません。

質問3 協会に相談すれば再生を支援してもらえますか。
協会自体は個別案件の支援を行いません。中小企業活性化協議会又は弁護士等の専門家にご相談ください。

まとめ

日本ターンアラウンド・マネジメント協会は、事業再生の専門家を育成する団体です。個別の手続を主宰する事業再生実務家協会及び中小企業活性化協議会とは役割が異なりますので、混同されませんようご留意ください。

本記事の根拠等

一般社団法人日本ターンアラウンド・マネジメント協会の公表資料。一般社団法人事業再生実務家協会の公表資料。中小企業庁「中小企業活性化協議会」。

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    弁護士土屋勝裕
    弁護士法人M&A総合法律事務所の代表弁護士。長島・大野・常松法律事務所、ペンシルバニア大学ウォートン校留学、上海市大成律師事務所執務などを経て事務所設立。400件程度のM&Aに関与。米国トランプ大統領の娘イヴァンカさんと同級生。現在、M&A業務・M&A法務・M&A裁判・事業承継トラブル・少数株主トラブル・株主間会社紛争・取締役強制退任・役員退職慰労金トラブル・事業再生・企業再建に主として対応
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