破産管財人とは?自己破産時における職務内容や権限を弁護士が解説

破産法第2条12項において、破産管財人とは、破産手続において破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利を有する者であると定義されています。

破産管財人が担う業務の具体例を挙げると、以下のとおりです。

  • 債務者の財産等の調査・回収・管理・換価(現金化)する
  • 換価した財産を債権者に平等に分配する
  • 免責を認めても問題ないのか調査する

この記事では、破産管財人の定義や自己破産時における職務内容、どのような権限を持っているのかなどを詳しく解説します。

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破産管財人とは

冒頭で解説したとおり、破産管財人とは、破産手続において破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利を有する者のことです(破産法第2条第12項)。

通常の破産手続では、裁判所が破産開始決定を行った後に破産管財人が選任され、この破産管財人が債務者の財産の調査・処分・配当などを実施します(これを「管財事件」と呼んでいます)。ただし、債務者が配当の対象となるような財産を持っていない場合は、破産管財人は選任されずに直ちに破産手続が終了します(これを「同時廃止事件」と呼んでいます)。

2020年度における日弁連の調査結果によると、自己破産申し立て事件のうち、25.39%は管財事件として終了しています(調査件数1,240件)。また、2002年の調査以降、同時廃止が減少傾向にあり、管財事件が増加傾向にあることもわかっています。

とはいえ、会社の破産手続では、同時廃止事件となるケースはほとんど無く、管財事件として手続を進めていくのが原則です。

参考:日本弁護士連合会「2020年破産事件及び個人再生事件記録調査」

破産とは

破産とは、会社・法人や個人(債務者)が債務超過や支払不能に陥った際に、裁判所が債務者の財産を処分し、これをすべての債権者に平等に配当して公平な清算を図るとともに、債務者の経済生活の再生を図ることを目的とする手続のことです。破産の申し立ては、債権者あるいは債務者自身もおこなうことができ、後者を「自己破産」と呼んでいます。

破産手続は、破産法にもとづき裁判所によって選任された破産管財人が支払不能もしくは債務超過に陥った破産者の財産を管理・換価処分し,それによって得た金銭を各債権者に弁済または配当するという清算型の倒産(法的整理)手続に該当します。破産手続によって破産者である法人・会社は消滅し、財産も債務もすべて清算されることになります。

破産手続は、どのような法人・個人でも利用が可能ですが、利用するためには債務者が支払不能または債務超過の状態にあることが求められます。

破産管財人の法的地位

破産管財人は、裁判所に代わり破産手続を遂行する破産手続上の機関のひとつです。

破産管財人の法的地位をどのように解するかについては争いがあるものの、通説的見解によれば、破産管財人は破産財団に属する財産の管理処分権を有し、私人とは異なる独立した法人格を持つと解されています(管理機構人格説)。

破産法における破産管財人の地位を理論的にどのように説明するのかについては、以下のような諸説があります。

代理説 破産管財人を利害関係人の代理人であるとする見解。代理説には、破産者の代理人とみる破産者代理人説、破産債権者または債権者団体の代理人とみる債権者代理説などがある。
職務説 破産管財人は、他人の名において行為する者であり代理人であるとする見解。誰の代理人であるかに関する理解の違いから、破産者代理説と破産債権者(債権者団体)代理説に分かれる。
破産財団代表説 財産の集合体として財団自体に法人格を認め、管財人をその代表者とする見解(かつての通説とされる)。
破産団体代表説 破産手続においては破産者と破産債権者とで構成される権利能力なき社団が成立するとし、破産管財人をその権利能力なき社団の代表機関とみる見解。
受託者説 破産者を委託者、破産管財人を受託者、破産債権者を受益者とする法定信託の成立を認めて破産管財人の法的地位を説明する見解。

また、破産管財人は、破産手続において実体法上の第三者としての保護を受ける地位にあると解されています(破産管財人の第三者性)。ただし、破産財団に関する訴訟では、第三者ではなく破産管財人が、その訴訟の当事者(原告もしくは被告)になる点に留意しておきましょう。

破産管財人が選任される背景

自己破産の手続は、同時廃止と管財事件と呼ばれる2つの種類に大別されます。いずれの手続を選択するかは裁判所が判断し、管財事件とされた場合は裁判所が破産管財人を選任します。本章では、管財事件と判断されて破産管財人が選任される背景(理由)について具体的に説明します。

一定以上の財産を有している

破産者に一定以上の財産がある場合、その財産を債権者に分配するために管財事件とされて、破産管財人が選任されます。破産者である会社に一定以上の財産があるかどうかの判断基準は、それぞれの地方裁判所によって異なります。一例として東京地方裁判所では、以下の基準のいずれかを満たす場合、一定以上の財産があると判断されます。

  • 33万円以上の現金を保有している場合
  • 20万円以上の換価対象資産(現金以外の財産のことで、例えば預金・保険解約返戻金・退職金債権の8分の1・自動車などが該当)を1つでも保有している場合

免責不許可事由に該当するおそれがある

自己破産の手続は、以下の2種類の手続で構成されます。

  • 破産手続:債権者の権利を保護する目的で、破産者の財産を管理・換価処分債権者に分配する手続
  • 免責手続:破産申請者の債務の返済義務を免除する手続

破産申し立て人の生活を立て直すためには、免責を許可してもらい、借金の返済義務が免除されることが重要ですが、免責が認められるには破産法第252条1項に定められた免責不許可事由に該当しないことが条件とされています。

例えば、パチンコなどのギャンブルが原因で多額の借金をした場合や財産を故意に隠した場合、特定の債権者のみに返済した場合などが免責不許可事由に該当します。免責不許可事由に該当するおそれがある場合、免責を認めることが妥当であるかどうか調査しなければならないため、破産管財人が選任されて調査が行われます。

破産管財人による調査が必要

上記の免責不許可事由に該当する可能性がある場合以外でも、裁判官が何らかの調査が必要であると判断した場合、調査を行うために破産管財人が選任されます。例えば、資産の判定が難しい場合や、自己破産の申立書その他の提出書類に不明瞭な点がある場合などが挙げられます。

また、破産申立人が会社経営者や役員の場合、隠れた資産が存在することが多く、破産管財人が選任されて調査が行われることが多いとされています。

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破産管財人の役割と立場

破産管財人は裁判所によって選任され、裁判所に代わって破産手続を進めていく役割を担っています。また、破産管財人は裁判所の外注機関であることから、公平・中立に破産手続を遂行することが求められる立場にあります。

とはいえ、破産管財人には多面的な役割・立場があると解されています。まず、破産管財人は破産者の財産を調査・管理・換価処分し、これにより得た金銭をそれぞれの債権者に弁済もしくは配当する役割を担います。この点から鑑みると、破産管財人は、債権者すべての代理人的な立場にあるといえます。

また、破産法はその目的の1つに破産者の経済的更生を図る点も挙げており(破産法第1条)、とりわけ個人による破産の場合、その観点が特に重大な問題とされています。この点から鑑みると、破産管財人は破産者の経済的更生を目指す破産者の後見的な立場にもあります。

以上をまとめると、破産管財人は総債権者の利益を実現することに加えて、破産者の経済的更生の実現を考慮しつつも、債権者と破産者いずれか一方に与してはならず、あくまでも公正中立に手続を進めなければならない立場にあります。

破産管財人の権限

破産管財人には、自身の職務を実効的なものとするため、以下の権限が認められています。

  • 破産手続開始決定により、破産者の財産(自由財産を除く)の管理および処分をする権利(破産法第78条1項)
  • 否認権(破産手続開始決定前になされた債権者を害する行為の効力を否定して、破産者の財産を原状に復させる権限)(同法第160条以下)
  • 破産者、破産者の代理人、破産者の従業員・理事・取締役等の破産管財人の請求による説明義務(同法第40条)

上記の権限のもとで、破産管財人は破産管財手続において中心的な役割を担います。破産管財人が職務を遂行するうえでの行動原理は、適法・適正、破産財団・破産配当の極大化、迅速性です。破産管財人自身が破産法その他の法令にもとづき適法・適正に職務を遂行することはもちろん、否認権の行使等により破産者による違法・不適切な行為を是正します。

破産管財人の職務内容

本章では破産管財人が手掛ける職務内容を詳しく解説していきます。

債権者の利益のための職務

破産管財人が手掛ける債権者の利益のための職務は以下の3つです。

  • 債務の確定
  • 財産の管理・換価
  • 配当手続

それぞれの職務の内容を順番に詳しく解説します。

債務の確定

破産管財人は、破産手続開始前に破産者が有していた債務を確定するため、以下のような調査を行います。

  • 貸金業者からの借入れ
  • 個人的な貸し借りの有無と金額
  • 家賃
  • 通信料や光熱費などの滞納の有無と金額
  • 隠し財産の有無
  • 自己破産の申立て前に一部の債権者だけに弁済をしていないか

また、破産者が保有している財産を債権者に配当する前提として、誰が債権者なのかを確定させる必要もあります。そのほか、抵当権や所有権留保など、法律上優先的に弁済を受けられる債権者を確定するための調査も行わなければなりません。

手続内容としては、破産者に対して債権を有する人(破産債権者)が、裁判所に対して債権の額・種類を記載した書面を提出し、破産管財はその債権の有無や額の正確性を検討する流れです。

財産の管理・換価

破産手続が開始されると、破産管財人は財産目録などを作成し、破産者の財産を管理します。破産管財人は、破産者の財産の価値毀損を防止するため、必要がある場合には財産を現実的に破産管財人の管理下に置くこともあります。

また、破産管財人は、債務者に財産隠匿の可能性がある場合、隠匿財産の有無の調査も行ったり、債務者が特定の債権者に対してのみ債務を返済していたりするようなケース(偏頗弁済)では否認権を行使し、財産を取り戻すこともあります。破産管財人が管理する破産者の財産はやがて配当に充てられるものであるため、財産をより早くより高価に換価することも重要な職務の1つです。

配当手続

配当手続とは、破産者の財産を換価するなどしてお金に換えて、債権者に平等に分配する手続です。債権者に配当できるような財産があり、破産管財人による配当が終了すれば、破産手続は「異時廃止」として終了します。これに対して、配当できるような財産がなかった場合は「破産手続終結」として破産手続が終了します。

債務者の利益のための職務

続いて、破産管財人が手掛ける債務者の利益のための職務として以下の2つを解説します。

破産に至った経緯・原因の調査(免責調査)

破産管財人は、破産者が破産に至った経緯・原因について調査し、免責不許可事由があるかどうかを確認します。免責不許可事由とは、破産法に規定されている免責が不許可とされる事由です。たとえ免責不許可事由に該当する場合であっても、財産隠しをするなどの悪質な場合でなければ、裁判官の裁量で免責が認められることもあります。

免責不許可事由がなければ免責が認められる一方で、免責不許可事由がある場合は裁判官の裁量により免責が相当かどうかが検討されます。具体的には、破産管財人が以下のような点を調査した上で、裁判官が判断する流れです。

  • 当該免責不許可事由が破産にどの程度影響を及ぼしたか
  • 債権者が破産に反対しているか
  • 破産者の現在の生活
  • 破産者の反省の態度

債権者集会における報告等

破産管財人は、裁判所で行われる債権者集会で報告を行います。債権者集会には裁判所のほかに債権者が出席することが可能です。

報告は債権者集会の期日を裁判所にて設定して行い、この報告には破産者も同席します。

ほとんどのケースでは、裁判所に対して破産管財人が事前に提出した書面の通りである旨を述べる程度で、場合によって裁判所から破産者に簡単な問いかけがある程度で、期日自体は5分程度で終わることがほとんどです。ただし、不動産の売却がうまく進んでいないなどの理由ですぐに終了できず、第2回債権者集会に続くこともあります。

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破産管財人が負う義務と責任

破産管財人は、債権者に対する公平・平等な弁済または配当を実現しなければならないだけでなく、利害関係人の利害や権利関係を適切に調整し、債務者の経済的再生の機会を図れるよう職務を遂行しなければなりません。

つまり、破産管財人には、債権者等の利害関係人の利益に配慮しつつも債務者の経済的更生が図れるように管財業務を適切に遂行していく義務・責任があります。

さらに、破産管財人には管財業務の遂行について、以下の法的義務が課されています。

善管注意義務 職務を執行するにあたり、総債権者の公平な満足を実現するため、善良な管理者の注意をもって,破産財団をめぐる利害関係を調整しながら適切に配当の基礎となる破産財団を形成すべき義務を負う
公正中立義務 職務の執行にあたり、すべての利害関係人に対して公正中立でなければならない義務を負う
忠実義務 民法または会社法で規定されている忠実義務の規定(民法108条、826条、会社法355条、356条等)が類推適用されると解されている
報告義務 裁判所または破産債権者等に対して,一定の事項を報告しなければならない義務を負う

破産管財人が選任された場合の対応

破産管財人が選任された場合、破産者には以下のような対応を取る義務や制約が生じます。

管財費用の準備

管財事件の場合には、管財費用の準備が求められます。管財相当事案においては、予想される管財費用をなるべく事前に準備しなければなりません。

破産管財人の調査に対する協力

破産管財人は自己破産の申立書類から破産事件の調査を行いますが、中には申立書類のみでは詳細が判別できないケースもあります。例えば、銀行口座に個人名義の出し入れがあったようなケースで、真実としてはオークションサイトなどで私物を売買したことが真実であった場合でも、破産管財人としては個人からの借り入れや個人に対する返済と区別をつけることは、銀行口座の記載の調査のみでは不可能です。こうした不明点に関しては破産管財人から、申立てを依頼した弁護士を通じれ問い合わせてくるため、破産者としては正直に答えましょう。

破産者はこの調査に答える義務があり、きちんと回答しない場合は少額管財が特定管財(通常)となるおそれがあるため確実に回答しましょう。

郵便物の転送

破産管財人が選任されている期間、破産者宛に届いた郵送物は一度破産管財人に転送され中身を確認したうえで破産者に送られるようになります。この対応は、財産隠匿などを調べるためです。

転居・旅行・出張等の制限

破産者は破産管財人からの調査に応じなければならないため、住所移転が制限されています。この住所移転については、短期の出張などの旅行も含まれます。どうしても必要がある場合、事前に裁判所の許可が必要です。

破産管財人が選任されない場合の(同時廃止)とは

原則として、破産手続では破産管財人が選任され、その破産管財人が破産管財業務を進めていく形式が取られます。

しかし、破産財団を形成できるだけの財産が無いことが明らかなケースでは、破産管財業務が不要であることが明らかであるため、破産管財人は選任されず,破産手続の開始と同時に破産手続が廃止により終結します(破産法第216条1項)。この手続の形式を「同時廃止」と呼んでおり、これに対して破産管財人が選任される原則的形態は「管財手続」と呼ばれています。

結論として、会社の破産手続では、同時廃止事件となるケースはほとんどありません。会社の場合、個人の場合と比べて多種多様な資産・財産を有しており、従業員・債権者・取引先などさまざまな契約関係・権利関係が存在しているのが一般的です。

会社の破産手続によって、その法人・会社は消滅するため、これらの資産・財産や権利関係を残しておくわけにはいかず、これらをすべて清算しておく必要があるものの、その前提としてそれらを確実に調査しておかなければなりません。また、資産・財産が残っていることが多いため、財産隠しのおそれも個人の場合より大きく、これらを換価処分して配当できるよう十分な調査が必要とされます。

そして債権者からすると、法人や会社など事業者が破産するにもかかわらず、第三者による調査がまったく行われない事態には到底納得できないのが自然です。こうした理由から、会社の破産の場合、同時廃止事件として処理されることはほとんどありません。とはいえ、中小規模の事業を手掛ける会社では、予納金(破産管財人の報酬や管財事務に必要な費用に充てるための費用として、破産手続を実施する会社があらかじめ裁判所に対して納める費用のこと)が少額で済む「少額管財」を利用できるケースもあります。

同時廃止と管財事件における債務者にかかる負担の違い

同時廃止の手続では、破産手続が破産手続開始決定と同時に終了するため、手続処理の費用や破産管財人報酬が発生しません。したがって、債務者にかかる予納金は各種手数料と官報公告費のみで足ります。

これに対して、管財事件の手続では、破産管財人によってさまざまな管財業務や手続が行われることから、その処理にかかる費用や破産管財人の報酬等が発生します。そのため、債務者には各種手数料と官報公告費以外にもお金が必要とされます。

上記の費用・報酬を賄うために、破産手続の申立人は、手数料や官報公告費とは別の予納金である引継予納金(破産管財人が手続を遂行するための予納金のことで、申立人から破産管財人に引き継がれるケースが一般的)を支払わなければなりません。引継予納金は、申立人が破産管財人に対して直接支払う仕組みです。

以上のことから、管財事件の場合、同時廃止と比べて手続が長期化するだけでなく、裁判所に収める予納金の額が増加するため、申立人(債務者)に大きな負担がかかります。

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破産管財人が選任される場合の費用・報酬

破産手続において管財事件に該当し、破産管財人が選任される場合に債務者にかかる費用・報酬について解説します。

参考までに、東京地方裁判所における法人自己破産の管財事件(少額管財事件および特定管財事件)において破産申し立て者に支払いが求められる予納金をはじめとする手続費用の金額を以下にまとめました(予納金額は事案に応じて変更される場合があります)。

申立手数料 1,000円
官報公告費 14,786円
予納郵券 4,200円
引継予納金 少額管財事件の場合:20万円〜、特定管財事件の場合:70万円〜

特定管財事件の引継予納金の基準は、負債額に応じて以下のとおりです。ただし、これはあくまでも東京地方裁判所の事例であり、裁判所によって引継予納金の金額は多少変動する点に注意しましょう。

負債総額 引継予納金の額
5,000万円未満 70万円
5,000万円~1億円未満 100万円
1億円~5億円未満 200万円
5億円~10億円未満 300万円
10億円~50億円未満 400万円
50億円~100億円未満 500万円
100億円〜 700万円

参考:東京地裁民事第20部「破産事件の手続費用一覧」

自己破産手続で破産管財人と接点を持つ流れ

自己破産手続きにおいて、申立人と破産管財人が接点を持つ大まかな流れを3つの項目に分けて解説します。

事前のすり合わせ

自己破産申し立てを行うと、最初に実施される管財人面接に先立って、破産管財人が自己破産申立書に記載された事項に関する疑問点や追加資料の提出を申立代理人に対して請求します。

この調査を拒否、妨害すれば、免責不許可事由に該当し(破産法252条)、最悪のケースでは免責が受けられなくなるので、真摯な姿勢で協力しましょう。破産財団として管財人が財産を管理する場合、必要になるものを引き渡すように求めてくるため、これにも誠実に応じてください。

管財人面接

破産管財人は、まず破産者および申立代理人から提出された破産申立書や通帳のコピーなどの添付書類をチェックすることから調査を開始するのが一般的です。破産管財人としては、書類のチェックにあたって、手元にある資料からはわからない不明点が多々出てくるため、破産者本人から直接話を聞いて確認する必要性が生じます。

そこで次のステップとして、破産管財人は破産者との間で予定を調整し、打合せを行います。この打合せのことを「管財人面接」と呼んでいます。管財人面接は破産管財人の法律事務所で行われることが多いです。

管財人面接において破産者に質問される主な内容としては以下のとおりです。

  • 会社の負債・債務の内容
  • 債権者の種類と債権額
  • 債権者の顔触れおよび対応状況
  • 保有している資産の内容と現在の状況・評価
  • 従業員の解雇の有無
  • 未払い賃金・未払い退職金の有無
  • 事業所や設備等の状況

上記に加えて、破産に至った原因や経緯、契約関係や税務関係の処理状況などについてもヒアリングされることがあります。これらの質問を行った後は、すぐに取り掛からなければいけない管財業務の有無、今後の管財業務の進め方、破産者側の協力体制や方法などについて、破産管財人と打ち合わせを行います。

この打ち合わせでは、基本的に申立人の代理弁護士が助言・確認してくれるため、破産者がすべてを把握している必要はありません。とはいえ、質問や打ち合わせの内容によっては、追加資料の提出などを求められることがあります。

債権者集会

債権者集会とは、債権者に破産手続に関する情報を開示し、破産手続に債権者の意見を反映させるために、裁判所の管理下のもと開催される集会のことです。出席者は、裁判官・破産管財人弁護士・破産申立代理人弁護士・債務者・債権者です。

基本的な内容としては、まず破産管財人による収支・財産の報告があります。破産管財人の財産調査の結果として破産財団を構成するような財産が無い場合、免責をさせるかどうかについての意見の申述があります。特に問題がなければ裁判官が事件終了の決定をします。

これに対して、財団債権の弁済を行ったうえで破産財団を構成するような財産がある場合、裁判所から配当の許可を受けて債権者に対して配当を実施します。この配当後、配当によって弁済することができなかった債権に関して免責をさせるかどうかについて、破産管財人の意見申述が行われ、特に問題がなければ裁判官が事件終了の決定をする流れで進められるのが一般的です。

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自己破産に関して弁護士に相談するメリット

自己破産の申し立ては、弁護士に依頼することなく自分で行うことも可能です。しかし、自ら破産を申立てた場合、自分1人で法律の専門家である破産管財人に対応しなければなりません。

破産管財人は中立的な立場にあって、破産者の味方という立場にはないため、自己破産の申し立てをする前に、自らをサポートしてくれる弁護士に相談・依頼することも検討しましょう。

弁護士に自己破産を依頼すると、少額管財を利用できる可能性があります。少額管財(※裁判所によって名称が異なる。運用していない裁判所もある)は、専門家である弁護士が代理人として事前に調査したうえで申立てを行い、破産管財人の負担を軽減させることを前提とした制度です。特定管財事件ではなく、少額管財になれば、費用が安く抑えられます。例えば、東京地裁の場合、通常の管財事件であれば、裁判所への予納金は70万円からであるのに対して、少額管財であれば原則として20万円からです)。

そのほか、自己破産に関して弁護士に依頼すると、以下のようなメリットがあります。

  • 債権者からの督促が止まる
  • 必要書類の作成を任せられる
  • 裁判官や破産管財人との面談に同席してもらえる
  • 裁判所や破産管財人とのやり取りで弁護士に窓口になってもらえる
  • 債権者からの債権回収のやり取りの関係で弁護士に窓口になってもらえる

上記のようなメリットが期待できるため、自己破産にあたって不安な点や不明な点があれば、弁護士に相談することをおすすめします。

まとめ

破産管財人とは、破産手続において破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利を有する者のことです。破産管財人は職務として、債権者の利益のために「債務の確定」「財産の管理・換価」「配当手続」を、債務者の利益のために「破産に至った経緯・原因の調査(免責調査)」「債権者集会における報告等」を行います。

ただし、破産管財人は中立的な立場にあって、破産者の味方という立場にはないため、自己破産の申し立てをする前に、自らをサポートしてくれる弁護士に相談・依頼することも検討しましょう。

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    弁護士土屋勝裕
    弁護士法人M&A総合法律事務所の代表弁護士。長島・大野・常松法律事務所、ペンシルバニア大学ウォートン校留学、上海市大成律師事務所執務などを経て事務所設立。400件程度のM&Aに関与。米国トランプ大統領の娘イヴァンカさんと同級生。現在、M&A業務・M&A法務・M&A裁判・事業承継トラブル・少数株主トラブル・株主間会社紛争・取締役強制退任・役員退職慰労金トラブル・事業再生・企業再建に主として対応
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