債務超過でもM&Aで会社を売却する方法!

 債務超過だからとM&A会社売却ができないと思っていませんか?

後継者問題や経営環境の先行きの厳しさなどを理由にM&Aで会社を売りたいという相談が増えています。

そんな中、「経営不振で業績が悪く赤字になってしまった」「借入金が多くて債務超過になってしまった」などを理由として、M&Aで会社を売却することができないと思っていませんか??

また、赤字や債務超過の会社を売りたいと考えているが、「どうやって売れば良いかわからない」からと行動をあきらめてしまってはいませんか??

赤字や債務超過だからとM&Aに関する相談をためらった結果、取り返しのつかない状況に追い込まれて最終的に廃業や倒産を選択してしまう経営者の方もいるのではないかと思います。

結論から申し上げると、「債務超過であっても会社をM&Aで売却することは可能」です。

一般的に、債務超過の会社は業績が悪く厳しい事業環境に置かれていることが多いため、経営状況が健全な会社と比べるとM&Aでの会社売却はハードルが高くなります。

買い手企業にとっては、債務超過の会社を買うことで大きな負債を抱えてしまったり、投資した資金の回収が見込めず損失を計上してしまうなど様々なリスクがあり、そのままの状態であれば希望する条件でM&Aに応じてくれる買い手を見つけるのは難しいでしょう。

しかし、債務超過の会社であっても、事業シナジーがあるなど買い手企業にとって魅力を感じる理由があれば、適切に企業再建手続きを行い過剰な債務をカットすることでM&Aで会社を売却することができる可能性があります。

事業で利益の出ている会社や、今は赤字でも今後損益の改善が見込める会社であれば良い買い手を見つけることも不可能ではありません。

また、近年は企業再編の活発化や事業承継などを理由にM&A市場が活況となっていますが、

利益水準の厚い企業や財務の健全な優良企業の売り案件はほとんど市場に出回らず、出てきても買収価格が高騰し、買い手となる投資家にとっては投資回収の期間が大幅に長期化し、場合によっては当初想定していた収益が見込めず減損損失を計上してしまうケースも見られます。

一方、債務超過の会社は優良企業と比べて安く買収できる可能性があり、買い手にとって事業シナジーなど魅力がある会社であれば手間とリスクを取ってM&Aを進める場合があり、実際に債務超過や業績不振の会社をM&Aで買う事例が出ています。

ただし、債務超過の会社のM&A売却は一般的な会社のM&Aとは異なる点や注意すべき点が多く、

場合によっては債権者から詐害行為として訴えられてM&Aそのものが白紙となってしまったり、説明不足や認識の相違などから買い手企業によって損害賠償請求を受けてしまうリスクもあり、検討に際しては慎重な対応が必要です。

そこで今回は、債務超過の会社をM&Aで売却するための方法や注意点、成功のポイントなどをご紹介します。

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債務超過のM&A会社売却は可能なのか?

「債務超過」とは、貸借対照表において負債の額が資産の額を超える状態のことを指します。

つまり、全ての資産を処分しても借入金などの負債が返済できない状態のことです。

債務超過になる要因は、競合の出現や規制の強化などによる事業環境の悪化、設備や金融資産などへの過度な投資、研究開発の遅れによる資金繰りの悪化など様々です。

「債務超過=倒産」ではありませんが、債務超過は事業規模や利益水準に対して過大な債務を負ってしまっているため、現状の利益構造では資金を返済に回すことができず、経営状況がますます厳しくなってしまいます。

債務超過になってしまうと、金融機関からの新規の融資は受けられず、場合によっては金利の大幅な引き上げや既存借入金の早期返済を求められることもあります。

また、債務超過になると取引先の信用もなくなり、取引条件の悪化や停止など事業にも影響が出てしまうため、倒産のリスクは高まります。

上場企業であれば上場廃止基準にも抵触するため、経営者にとって債務超過はなんとしても避けたい事態です。

経営している会社が債務超過になってしまった場合、そのような会社を買ってくれる先はないだろうと考えてM&Aの相談をためらってしまう経営者は多いのではないでしょうか。

債務超過の会社であっても、企業価値を評価する際には現れない、技術力やノウハウ、人材や取引先など様々な見えない価値を見極め、買い手が事業シナジーを見出せる会社であれば、不相応な債務を「適正に」整理し、経営改善を行うことでM&Aによる会社売却が可能となります。

債務超過の会社をM&A売却するメリットとデメリット

債務超過の会社を売却することで、売り手企業の経営者にとっては以下のようなメリットがあります。

メリット

・経営に対するプレッシャーから開放される

・売却利益が獲得できる可能性がある

・従業員の雇用を守ることができる

・会社の債務に対する連帯保証を解消することができる

一方、以下のようなデメリットも考えられます。

デメリット

・競業の禁止(売却後20年間は同じ事業を営むことができない)

・会社の環境や従業員の雇用状況の変化(大規模なリストラの可能性)

M&Aの買い手企業にとっては、債務超過の会社を買うことを自社の株主から反対されたり、買収時の債権者との交渉に手間がかかる可能性があるなどハードルはありますが、取引先への販路や独自技術など新たに自社で作り上げるのが難しいものを有する会社や、自社の事業や資産とシナジーがある会社を相場よりも安く買うことができるメリットがあります。

また、買収する債務超過の会社に繰越欠損金があった場合に、税務面でメリットを受けることができる可能性もあり、債務超過や赤字の会社をM&Aで買うことはかなり一般的になってきています。

(繰越欠損金による税務メリットの適用には様々な条件があり、適用できない場合もあるため注意が必要です。)

債務超過の会社をM&A売却する方法は?

債務超過の会社をM&Aで売却するためには、以下のような方法が考えられます。

特定の事業の譲渡

債務超過となっている売り手企業が利益の出ている事業を有している場合に、その事業のみを譲渡して売却利益で債務を返済する方法です。

買い手は特定の事業のみを譲り受けるため、過剰な債務や不要資産を引き継ぐ必要がなく、検討しやすいというメリットがあります。

株式譲渡による経営権の移転

債務超過となっている会社の大半あるいは全ての株式を譲渡し、買い手企業に経営権を移転する方法です。

買い手は既存の債務や不採算な事業なども全て引き継ぐ必要がありますが、売り手が有している技術力や人材、取引先との関係など自社で新たに構築するのは難しいものを手に入れることができる場合は、リスクを取ってM&Aを進めるケースがあります。

会社分割

新たに会社を新設し不採算となっている事業や資産を切り離す、あるいは優良な事業のみを切り離し債務超過ではない会社を設立してしまう方法です。

会社法では、債務を履行する見込みがなくても会社分割をすることが認められており、債務超過の原因のみを外部に切り離すことが可能となっています。

ただし、この場合は債権者に対して不利益が発生しないように保護手続きを行う必要があります。

債務超過の会社をM&Aで売却する方法はいくつかありますが、売り手企業の状況によって利用できる場合とできない場合があるので、自社に合った方法を選択することが重要です。

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債務超過の会社をM&A売却したら「詐害行為」となるリスクも!

債務超過の会社をM&Aで売却することは可能とご紹介しましたが、注意すべき点があります。

債権者から「詐害行為」とみなされるリスクがあることです。

「詐害行為」とは、債権者を害することを知りつつ、債務者が自己の財産を減少させる行為のことです。

債務超過の状態にある会社が、債権者からの差し押さえや債務の弁済を免れるために不動産などの資産を第三者に贈与あるいは安く売却したり、特定の債権者のみに返済を行うこと、別の債務者に対する債務の免除などが該当します。

このような行為に対しては、民法で債権者に「詐害行為取消権」が認められており、以下の条件に該当する場合は裁判所に請求をして詐害行為を取り消すことができるようになっています。

詐害行為取消権が認められる条件

1.詐害行為の前に債権が成立していたこと

2.債務者が無資力であったこと

3.詐害行為が財産権を目的としていたこと

4.詐害の意思があったこと

5.受益者や転得者が債権者を害することを知っていたこと

債務超過の会社をM&Aで売却する際、事業譲渡や会社分割で優良な事業や資産のみを買い手企業に売却し、債務を引き継がせない場合は、債権者から見ると債務の弁済を受けることができなくなってしまう可能性があり、詐害行為とみなして訴えられてしまうリスクがあります。

詐害行為取消権が認められた場合、M&Aそのものが無効になってしまう可能性があるため、債務超過の会社のM&Aにおいては詐害行為とみなされないよう、債権者に配慮した会社分割のスキームを組成したり、資産の譲渡においては適正な価格で処分を行うなど、慎重な対応が必要です。

債務超過の会社のM&A売却の成功のポイントは!?

債務超過の会社を売却することは、優良な会社を売却するよりもハードルが高く、買い手にとっては様々なリスクがあるため、M&Aを成功させるためには以下のようなポイントを抑えて検討を進めることが重要です。

経営改善を行う

債務超過の会社の最大の課題は「過剰な債務」であるため、私的整理などの企業再生手法を用いて債務のカットを行い、債務の適正化を図る必要があります。

債務を減らすことで買い手のリスクや負担が軽減され、M&Aを検討しやすくなります。

また、債務の適正化以外にも経営改善の手法はあります。

例えば、過剰な設備や不要な資産を見直してバランスシートをスリム化したり、組織改革を行って人材を再配置し業務の効率化を行うこと、営業戦略や事業計画を見直して損益の改善に向けた道筋を定めること、オーナーや第三者が増資を行い資本金を増やして債務超過を解消することなども考えられます。

このように経営改善の手法はいくつかありますが、企業によって有効なものは個別に異なるため、自社に適した取り組みを検討することが重要です。

自社の強みを見極める

買い手企業は債務超過の会社のM&Aを検討する際、リスクを負ってでも取るべきメリットがあるかどうかを重視します。

債務超過の会社のM&Aを成功させるためには、自社を買うことで得られるメリットが買い手企業に刺さるように売り込みを行うことが重要です。

そのためには、まず自社が持っている強みや特徴をしっかりと分析し、把握する必要があります。

企業が持つ強みとは、独自の技術や特許、取引先(独自の販路や顧客リスト、仕入れルートなど)や不動産などの資産、優秀な人材、権利や資格などが挙げられますが、買い手企業によって魅力だと感じるポイントは様々なので、買い手に応じて見合ったメリットを提示することが重要です。

買い手企業にとって事業シナジーを生むことができる可能性があれば、M&Aの成功確率は高まると考えられます。

自社の企業価値を把握する

買い手企業がM&Aを検討する場合、買収先の企業価値やビジネスモデルなどを調査し、M&Aの妥当性を検証する「デューデリジェンス」が行われます。

売り手企業が持つ資産や負債、事業の状況などを調査し、その企業の強みや弱み、経営状況や内包しているリスクなどを特定することで企業価値を評価し、買収の可否を判断するのです。

そのため、売り手は自社の企業価値を正確に把握し、その価値を向上させるとともに、買い手に対してその根拠を提示して価値があることを訴求する必要があります。

企業価値の評価方法には、主に「収益還元法(DCF法)」と「時価純資産法」の2つがあります。

「収益還元法」とは、DCF法(Discount Cash Flow法)とも呼ばれ、その企業が生み出す期待キャッシュフローを現在価値に割り引いたものを合計し、企業や資産の価値を算定する方法です。

債務超過の会社であっても、利益が出ていたり、将来的に損益が改善してキャッシュフローを生み出すことができる蓋然性がある場合は、企業価値がプラスとなる可能性があります。

次に「時価純資産法」とは、企業が持っている資産と負債を時価で評価し、資産の合計額から負債を控除した金額を企業価値とする評価方法です。

企業が適用している会計処理によっては資産や負債を時価で計上していないケースがありますが、時価純資産法ではバランスシートのすべての項目を時価で換算し、不動産などの固定資産や有価証券の含み益、回収不能な売掛金や債権などを金額に加味することで適正な価値を算定します。

時価純資産法は、会社が持つノウハウなど見えない価値を営業権として時価で換算(過去数年の利益の平均値の3~5倍程度)して純資産に入れることができるため、債務超過の会社でも企業価値がプラスとなる場合があります。

自社の企業価値を正確に把握することで、債務超過の会社でも買い手に対して価値を訴求し、M&Aによる会社売却の可能性を高めることができますし、企業価値は会社の売却価格が適正かどうかを判断する基準にもなり、売却利益を最大化するためにも把握しておくことが大切です。

自社の状況を正確に説明する

債務超過の会社をM&Aで売却する場合、売り手企業はあらかじめ買い手企業に対し、自社に関する様々な情報を正確に伝えておくことが重要です。

買い手企業にとってプラスとなる情報はもちろんですが、債務超過であることや業績不振であること、また簿外債務の有無など、マイナスの情報についても包み隠さず説明し、理解を得ておくことで、買い手企業としても安心して検討を進めることができます。

もしもマイナスの情報を説明せずにM&A契約を締結し、後にその情報が発覚した場合は「表明保証違反」としてM&A契約の取り消しや、最悪の場合は損害賠償請求を受けてしまう可能性もあります。

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以上のようなポイントを抑えることで、債務超過の会社のM&A売却が成功する可能性が高まります。

債務超過の会社のM&A売却のためには「債務の適正化」プロセスが必要!

債務超過の会社をM&Aで売却するためのポイントをご紹介しましたが、その中でも最も重要なのが「債務の適正化」です。

会社を売却する前に、民事再生手続きや私的整理手続きを行って過剰な債務をカットすることで、買い手企業は過剰債務を引き継ぐ必要がなくなるため、買い手候補企業が見つかる可能性が高まります。

では、「債務の適正化」とは、具体的にどのような方法があるのでしょうか。

債務のカットは、「法的整理」と「私的整理」のいずれかの債務整理手法を用いて行うことが一般的です。

「法的整理」とは、裁判所の関与のもとで法的に債務整理を行う手続きであり、再建型の手続きと清算型の手続きに分類されます。

再建型の手続きには民事再生と会社更生があり、会社を存続させて債務を収益弁済し企業再建を目指します。

一方、清算型の手続きは破産と特別清算があり、会社の全ての資産を処分して債務を弁済し、最終的に会社そのものを清算する手続きとなります。

法的整理は法律に基づいて手続きを進めるため、透明性が高く債権者に対しても公平な結果となるというメリットがありますが、全ての債権者を対象とする必要があるため手続きに手間と時間がかかることなどが課題です。

「私的整理」は、資産の処分方法や債務の弁済方法について債権者と協議を行い、債務の減免や放棄などを交渉することで企業再生を図る手法です。

私的整理は「自主再建型」と「スポンサー型」に分類され、自主再建型は債務の返済条件緩和やデット・エクイティ・スワップ(DES=債務の株式化)、債権放棄などを進める方法であり、金融機関と直接交渉する場合や債権者がサービサーに債権を譲渡し手続きを行う場合があります。

一方のスポンサー型は、ファンドなどの第三者が債務者に出資したり、会社分割を活用して優良事業のみを切り出して譲渡しその売却益で弁済する手法です。

私的整理は、法的整理のように手続きが法律で厳格に定められていないため、手続きが簡易でコストも安く、柔軟性がある点やスピードがはやいことが特徴です。

上記の通り、法的整理と私的整理にはそれぞれ特徴やメリット・デメリットがありますが、債務超過の会社がM&Aで会社売却することをゴールにする場合は、私的整理での企業再建手続きをおすすめします。

法的整理の場合、手続きを進める際はすべての債権者が対象となり、金融機関以外の取引先にも影響がおよぶため社会的な信用を失ってしまう可能性が高くなります。

一方の私的整理は主に金融機関のみを対象として債務のカットなどを行うため、取引先を巻き込まず手続きを進めることができ、会社の対外的信用の毀損を最小限に抑えることが可能です。

なお、私的整理と言っても、企業再生という目的を実現するためには関係者が一定のルールをもとに手続きを進める必要があります。

近年は、事業再生ADR(事業再生実務家協会)、中小企業再生支援協議会による再生支援、地域経済活性化機構(REVIC)などの専門機関を活用した私的整理が一般的となっています。

また、金融機関においては私的整理ガイドライン(全国銀行協会)が策定されており、ガイドラインにのっとって債権放棄を行った場合は対象債権を税務上損金算入し、無税償却をすることができるなどメリットがあり、私的整理による債務者支援の取り組みが推進されています。

一般的に、債務超過となっている会社から資金を回収することは金融機関にとって多大な労力とコストがかかるものであり、最悪の場合は全額が貸し倒れ損失となってしまう可能性があります。

私的整理などの企業再生手法を活用することで、一定の共通認識に基づいて手続きが進められるほか、債務超過となっている会社を再生してM&Aによる会社売却を成功させることで資金の一部を回収できる可能性があるため、金融機関も債権の放棄など「債務の適正化」に協力するのです。

以上、「債務の適正化」の手法として法的整理と私的整理の概要や特徴などをご案内しましたが、どの手法を選択するべきなのかは

対象となる会社の資産や債務、事業の状況、経営改善の見通しなどによって異なり、判断が難しい問題です。

また、債務カットは金融機関との交渉が発生しますが、一歩間違うと協議が進まないだけではなく、企業再生ができずM&Aがうまくいかない可能性もあり、極めて慎重な対応が必要です。

債務超過の会社のM&A売却のためには企業再建の経験豊富なM&A弁護士のサポートが必要!

ここまで債務超過の会社をM&Aで売却する方法や成功のポイントなどをご紹介しましたが、一般的なM&Aでの会社売却とは異なり、慎重な対応や注意すべき点が多いことがご理解頂けたのではないでしょうか。

様々な面でハードルの高い債務超過の会社のM&A売却を自社のみで検討するのは実務的にも心理的にも負担が大きく、M&Aを成功させるためには企業再建の経験が豊富なM&A専門の弁護士のサポートが重要です。

プロのM&A弁護士に相談することで、以下のようなメリットがあります。

専門知識やノウハウの活用

債務超過の会社のM&A売却は、債務カットなどの企業再生手法を行ったうえで進める必要があり、通常のM&A以上に様々なノウハウが必要となります。

企業によって利用できる制度や最適な方法はケースバイケースのため、自社に合う方法を選択するためには慎重な検討が必要です。

案件を進めるためには法務だけではなく税務や財務などの専門知識も必要となるため、そのような分野に精通し、幅広いネットワークや協力者を活用して総合的なアドバイスのできるM&A弁護士のサポートを受けることで、最適な手法を取ることができます。

第三者目線での企業分析

債務超過の会社をM&A売却するための成功のポイントでご紹介したように、M&Aを検討する際には自社の強みや弱み、経営上のリスクなどを分析して把握する必要があります。

その場合、自社のみで分析を行うと視野が狭くなってしまったり、否定的な考えをしたくないとの思いから課題に正面から向き合えず、結果的に十分な分析ができない可能性があります。

多くのM&Aに携わった専門家によるサポートを受けることで、買い手企業など第三者目線での客観的な分析を行うことができ、M&Aの成功確率が高まるだけでなく、売却利益の最大化も追求できる可能性があります。

企業再建手法の検討

債務カットなどの企業再建手法を進める場合、法的整理と私的整理のどちらを適用するのか、どのように手続きを行うのかなど慎重な検討が必要です。

「債務の適正化」プロセスは債務超過の会社のM&A売却における重要なポイントのため、自社に合う最適な手法を検討するために企業再建のノウハウを持つ弁護士に相談することをおすすめします。

また、債権放棄など金融機関との交渉においても、弁護士が代理人となることで円滑に進み、金融機関も対応を前向きに検討してくれる可能性が高まります。

買い手企業の探索

債務超過の会社のM&A売却は、買い手企業にとって様々なリスクがあるため、自社のみで条件の合う買い手候補企業を探すのは難しいでしょう。

複数のM&A案件に関与する弁護士などの専門家は買い手候補となり得る多くの企業とのルートを有しており、その中からシナジーを生み出すことのできる企業を見つけることができる可能性があります。

また、M&Aの検討が進んだ場合に、買い手企業への説明が不十分なまま話を進めるとトラブルが起こる可能性があり、結果的にM&Aの取り消しや損害賠償請求などを受けるリスクに繋がるため、手続きや交渉では弁護士のサポートを受けるのが安心です。

さらに、運良く買い手企業があらわれた時に、早く売却したいがために焦って話を進めてしまい、最終的に希望に合わない条件で売却してしまうケースも考えられます。

このような場合にも、経験豊富なプロに相談することで、最適な売却タイミングを判断することが可能となります。

売却後の各種サポート

経営者の中には、長年育ててきた会社を債務超過や赤字でやむなく売却せざるを得ず、寂しい想いをしてしまう方もいるのではないでしょうか。

M&Aで会社を売却した後でも旧経営者が事業をサポートすることで会社の成長が期待できる可能性もあり、旧経営者が顧問や相談役として会社に残るケースがあります。

そのような場合にも、M&A弁護士の力を借りることで、買い手企業との交渉や契約などがスムーズに進む可能性があります。

以上、債務超過の会社をM&Aで売却するための方法や注意点、ポイントなどをご紹介しました。

優良な会社のM&Aと違い、債務超過の会社のM&Aは財務面や業績などが課題となり、条件の合う買い手企業を探索するハードルが高いことは事実です。

しかし、企業再建とM&Aに精通したプロの弁護士に相談し、債務の適正化などに取り組み経営を改善することでM&Aによる会社売却を実現することは可能です。

当事務所は、M&A専業の法律事務所としてこれまで10年以上にわたって200件以上ものM&Aに携わった実績があり、専門性とノウハウを兼ね備えた弁護士が、M&Aのスキーム検討や経営分析、買い手企業の探索とマッチング、関係者との各種交渉、契約書類の作成、会社売却後のサポートなどM&Aに関する幅広いサービスを提供しております。

また、M&A総合会計事務所やM&A総合社会保険労務士事務所などをはじめとする専門家集団との強固なネットワークを有しており、各分野のプロフェッショナルと協働し、法務のみならず財務・会計・税務・人事労務などあらゆる側面でのサポートを行い、総合的かつ最適な助言を行っております。

ご相談を頂く場合の弁護士費用や各種手数料の体系を明確化しており、コストの透明性が高いことも特徴です。

「赤字だから」「債務超過だから」などを理由にM&Aによる会社売却をあきらめず、まずはお気軽にご相談ください。

経営者様の立場に寄り添い、親身で丁寧なサポートをご提供してM&Aの成功を目指します。

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    弁護士土屋勝裕
    弁護士法人M&A総合法律事務所の代表弁護士。長島・大野・常松法律事務所、ペンシルバニア大学ウォートン校留学、上海市大成律師事務所執務などを経て事務所設立。400件程度のM&Aに関与。米国トランプ大統領の娘イヴァンカさんと同級生。現在、M&A業務・M&A法務・M&A裁判・事業承継トラブル・少数株主トラブル・株主間会社紛争・取締役強制退任・役員退職慰労金トラブル・事業再生・企業再建に主として対応
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